お知らせ・症例紹介News and Blog
【症例紹介】サイナストラクトと上顎洞炎を併発した歯 ー外科的歯内療法により症状が改善し、歯を残せたケースー
なぜ、歯内療法(根管治療)に「外科的治療」が必要になることがあるのか
「根管治療をすれば、歯の中の感染はすべて取れる」
そう思われる方が多いかもしれません。
実際、多くのケースでは精密な根管治療だけで治癒します。
しかし中には、どれだけ丁寧に根管治療を行っても、症状が改善しない歯が存在します。
その理由は、感染の原因が“歯の中”だけではない場合があるからです。
歯の治療は「家の中」だけを掃除しているわけではありません
根管治療は、例えるなら
家の中に入り込んだ菌を、徹底的に掃除して密閉する治療です。
歯の治療は「家の中」だけを掃除しているわけではありません
根管治療は、例えるなら
家の中に入り込んだ菌を、徹底的に掃除して密閉する治療です。
しかし、問題が
- 家の外壁や
- 地面の下
にまで広がっている場合、
家の中だけをいくら掃除しても、完全には解決しません。
歯も同じで、
- 歯の中(根管)
- 歯の外側(根の先のまわり)
の 両方に原因があるケース が、実際に存在します。

そこで必要になるのが「外科的歯内療法」です
外科的歯内療法とは、
- 歯ぐきの外側から
- 問題のある根の先を直接確認し
- 感染源を取り除く治療
です。
決して「最初から行う治療」ではなく、
歯を残すために、どうしても必要な場合に選択される治療です。

抜歯を避けるための「最後の一手」
外科的歯内療法は、
- 抜歯してインプラントにする前に
- ご自身の歯を残す可能性を最大限に探る
ための治療です。
「もう抜くしかない」と言われた歯でも、
条件が合えば保存できる可能性が残っていることがあります。
当院の治療方針について
患者さんの主訴
- 「歯ぐきから膿が出る、腫れている」
- 「噛むと痛い」
- 「鼻の横を押さえると痛い

初診時の状態
- 上顎(4番5番)に**サイナストラクト(膿の出口)**を認めました
- レントゲン・CT検査にて
- 根の先の大きな病変
- 上顎洞粘膜の肥厚(上顎洞炎)
を確認しました


サイナストラクトとは?
サイナストラクトとは、
歯の根の感染によってできた膿が、歯ぐきに出口を作って排出されている状態です。
一見すると
- 痛みが少ない
- 腫れが引いたように見える
こともありますが、
感染そのものが治ったわけではありません。

なぜ上顎洞炎を併発したのか
上顎の奥歯の根は、上顎洞と非常に近い位置関係にあります。
そのため、
- 根の先の感染が長期間続く
- サイナストラクトが慢性化する
ことで、
歯の感染が上顎洞に波及し、歯性上顎洞炎を引き起こすことがあります。
治療方針の説明
今回のケースでは、
- 非外科的な再根管治療と外科的歯内療法(歯根端切除術)のメリットデメリットを説明
- 患者さんと十分に相談のうえ
外科的歯内療法(歯根端切除術)
を選択しました。
「可能であれば歯を残したい」という患者さんの希望もあり、
歯を保存する治療を優先しました。


外科的歯内療法とは
外科的歯内療法は、
- 歯ぐきから
- 根の先の感染組織を直接確認し
- 感染源を取り除き
- 根の先を封鎖する治療
です。
当院では
CT、マイクロスコープ、超音波器具を使用し、
必要最小限の侵襲で行います。

治療後の経過
- サイナストラクトは消失
- 腫れ・違和感も改善
- CTにて上顎洞粘膜の改善傾向を確認
術後 経過観察時




経過観察を行い、治りを確認したのち最終的な被せ物を装着しました。

今回の症例からわかること
- サイナストラクトがある=治っている、ではない
- 症状が軽くても、内部では感染が進行していることがある
- 状態によっては外科的歯内療法が有効な選択肢になる
という点です。
これからもこの歯を長く残せるように、慎重に経過を追っていきます。
費用について
本症例で行った治療は、保険適用外(自費診療)となります。
費用の目安(税込)
- 外科的歯内療法(歯根端切除術):
小臼歯1本:132,000円 - ファイバーコア:
33,000円
※歯の状態・感染の程度・難易度により費用は異なります。
※2025年12月現在の費用になります。治療後精密な被せ物(自由診療)が必要な場合があります。
※治療前に、必ず内容と費用をご説明します。
当院の外科的歯内療法について
治療に関する大切なお知らせ
※本症例は、実際に当院で行った治療例の一つです。
※治療結果には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。
※歯や骨の状態によっては、同様の治療が適応とならない場合があります。
※症状によっては、抜歯が最適な治療となるケースもあります。
※本ページは治療内容の理解を目的とした情報提供であり、治療効果を保証するものではありません。