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歯を残すための考え方
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インプラントと天然歯保存、どちらが良いのでしょうか?
~徹底比較① まずはインプラントの歴史を知ることから~ 近年、歯を失った際の治療法として「インプラント治療」が広く知られるようになりました。 しかし、 インプラントとは何なのか いつから行われている治療なのか 本当に安全な治療なのか 長く持つ治療なのか については意外と知られていません。 インプラントと天然歯保存を比較する前に、まずはインプラント治療そのものについて見ていきましょう。 デンタルインプラントとは? デンタルインプラントとは、 歯を失った部分の顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。 入れ歯やブリッジと比較すると、 よく噛める 周囲の歯を削る必要が少ない 見た目が自然 といった利点があります。 現在では失った歯を回復する治療法として世界中で行われています。 インプラントの歴史 実はインプラントの歴史はそれほど古くありません。 現在のインプラント治療の基礎を築いたのは、スウェーデンの整形外科医である Per-Ingvar Brånemark(ペル・イングヴァール・ブローネマルク博士) です。 1960年代、 研究中にチタンが骨と強固に結合する現象を発見しました。 この現象は オッセオインテグレーション(Osseointegration) と呼ばれています。 偶然の発見 Brånemark博士はウサギの脛骨にチタン製の観察装置を埋め込み、骨の血流を研究していました。 研究終了後、その装置を取り外そうとしたところ、 チタンが骨と強固に結合していて外れなかった のです。 本来なら異物として排除されるはずなのに、 骨がチタンを受け入れていたのです。 この現象が後に Osseointegration(オッセオインテグレーション) と名付けられました。 最初は歯科ではなかった Brånemark博士が最初に考えた応用は、 人工関節 骨折治療 四肢欠損患者の義肢固定 など整形外科領域でした。 つまり、 最初から歯のために開発されたわけではありません。 なぜ歯科に応用されたのか 当時、 総入れ歯で苦しむ患者さんが非常に多くいました。 特に下顎の総義歯は安定しにくく、 食事ができない 会話が難しい 痛みがある といった問題がありました。 そこで、 「骨と結合するチタンを顎の骨に埋め込めば、義歯を固定できるのではないか」 という発想が生まれました。 最初の患者 1965年、 世界初の近代インプラント治療が行われました。 重度の顎変形と無歯顎に苦しんでいた患者でした。 驚くべきことに、 このインプラントの多くは数十年間機能し続けたと報告されています。 歯科医療を変えた発見 1982年のToronto Conference on Osseointegration で長期成功データが発表され、 世界中の歯科医師が衝撃を受けました。 ここから現代インプラントの歴史が本格的に始まります。 まとめ インプラントは、骨の研究から生まれた画期的な治療法です。 現在では多くの研究によって安全性や予知性が確立され、歯を失った方にとって非常に重要な選択肢の一つとなっています。 私自身も2025年のISPRDに参加し、世界最先端のインプラント治療について学ぶ機会がありました。インプラント治療は今も進化を続けており、これからも歯科医療を支える大切な治療法であると感じています。 一方で、近年はインプラント治療が発展したからこそ、 「残せる歯は残した方が良いのか」「天然歯とインプラントにはどのような違いがあるのか」 という点についても、改めて注目が集まっています。 患者さんにとって本当に大切なのは、 「インプラントが良い」「天然歯が良い」 と決めつけることではなく、 それぞれの特徴を理解し、ご自身に合った選択をすることではないでしょうか。 次回は、 天然歯とインプラントの違い について、できるだけわかりやすくお話ししたいと思います。
2026.06.23 歯を残すための考え方
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ISPRD参加から1年 〜世界の潮流に触れて感じたこと〜
2025年6月、私はアメリカ・マサチューセッツ州ボストンで開催された、歯周病・インプラント・補綴の国際学会である International Symposium on Periodontics and Restorative Dentistry (ISPRD) に参加しました。 ISPRDは3年に1度開催される世界最高峰の学会の一つであり、世界中の臨床家や研究者が集まり、現在の到達点と未来の歯科医療について議論する場です。 早いもので、あれから1年が経過しました。 この1年を振り返る中で、あの時ボストンで感じたことや学んだことは、今も私の診療の中に生き続けていると感じています。 世界の潮流を肌で感じた数日間 学会期間中は、朝から夕方まで多くの講演を聴きました。 歯周組織再生療法、インプラント治療、骨造成、軟組織移植、補綴治療。 どの分野においても世界の第一線で活躍する先生方が、自らの経験や研究成果を発表されていました。 もちろん最新の技術や材料を学ぶことも大きな目的でしたが、それ以上に印象に残ったのは、 「世界はどこを目指しているのか」 という方向性を感じることができたことでした。 日本でも素晴らしい治療は数多く行われています。 しかし海外の演者の講演を聴いていると、治療技術だけではなく、治療哲学そのものに学ぶべきことが多くありました。 患者さんにとって本当に価値のある治療とは何か。 10年後、20年後を見据えた治療とは何か。 その問いに真剣に向き合う姿勢が強く伝わってきました。 インプラント学会で感じた天然歯の価値 ISPRDでは多くのインプラント治療が紹介されました。 私は参加前、「世界最先端のインプラント治療とはどのようなものだろう」と考えていました。 しかし実際に講演を聴いていて感じたのは、単にインプラントを埋入する技術の話ではありませんでした。 むしろ演者の先生方から強く伝わってきたのは、 「いかに天然歯に近い状態を再建するか」 という考え方でした。 骨を再建し、歯肉を整え、失われた組織を回復させる。 その目的は、インプラントを入れることそのものではなく、天然歯が本来持っていた機能や審美性に少しでも近づけることにあります。 講演を聴きながら、私はあることを強く感じました。 それは、 天然歯はやはり特別な存在である ということです。 もしインプラントが天然歯を完全に超える治療法であれば、そこまで天然歯に近づけようと努力する必要はないはずです。 しかし世界のトップランナーたちは、骨の形態や歯肉の厚み、歯間乳頭のわずかな形まで徹底的にこだわっています。 それは天然歯が持つ機能性や審美性が、それほど優れているからなのだと思います。 私は講演を聴きながら、 「神様が与えてくれた天然歯は、本当に素晴らしいものなのだな」 と何度も感じました。 もちろんインプラント治療は失われた歯を回復するための非常に優れた治療法です。 しかし、それは天然歯を超えるための治療ではなく、失われた機能を回復するための治療です。 だからこそ、残せる歯はできる限り残したい。 その思いを改めて強くした学会でもありました。 あの日の決断は今も生きている ISPRDへの参加は決して気軽なものではありませんでした。 診療を休み、時間と費用をかけて海を渡り、英語で行われる講演を聞く。 決して楽な挑戦ではありませんでしたが、参加して本当に良かったと思っています。 なぜなら、あの日ボストンで受けた刺激は、今も私の診療の中で生き続けているからです。 世界には本当に素晴らしい臨床家が数多く存在します。 その講演を聞くたびに、自分はまだまだ学ぶことばかりだと感じました。 そして、その気持ちは1年経った今も変わりません。 現在も月に一度ほど、東京や山梨で開催される研修会や学会に参加し、学びを続けています。 地方で診療をしていると、目の前の仕事だけで毎日が過ぎていきます。 しかし定期的に外へ出て学ぶことで、自分の現在地を知り、新しい考え方や価値観に触れることができます。 その積み重ねが、少しずつでも診療の質の向上につながっていると信じています。 世界の最先端は、この1年の間にもさらに進化していることでしょう。 だからこそ、私も歩みを止めることなく学び続けたいと思っています。 支えてくれる人への感謝とこれから この1年を振り返る中で、改めて感じることがあります。 それは、自分一人の力で学び続けているわけではないということです。 ISPRDへ参加した当時、子どもたちはまだ小さく、数日間家を空けることに申し訳なさもありました。 それでも家族は笑顔で送り出してくれました。 その支えがあったからこそ、私はボストンで世界の歯科医療に触れることができました。 そして今もなお、東京や山梨への研修や学会に参加し続けることができています。 留守中に医院を支えてくれるスタッフ。 信頼して通院してくださる患者さん。 そして、いつも応援してくれる家族。 多くの方々に支えられて、今の自分があります。 学び続けられることは決して当たり前ではありません。 だからこそ、その学びを自分の中だけで終わらせるのではなく、日々の診療を通じて患者さんへ還元していきたいと思っています。 あの日ボストンで見た景色は、今でも私の中に残っています。 世界にはまだまだ知らないことがたくさんあります。 そして、まだ見たことのない景色があります。 私はまだまだ道半ばです。 これからも謙虚な気持ちを忘れず、一歩ずつ学び続けながら、より良い歯科医療を提供できるよう研鑽を続けていきたいと思います。 そして、支えてくださるすべての方々への感謝を忘れず、これからも学び続けていきたいと思います。
2026.06.14 歯を残すための考え方学びの歩み
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抜歯と言われた方へ|大牟田 川口歯科医院
抜歯したくない方へ ― 歯を残すという選択肢 ―― 抜歯と言われた方へ、当院の考えとできること 「この歯は抜くしかありません」そう言われて、不安な気持ちのまま当院を受診される方が少なくありません。 確かに、歯の状態によっては抜歯が最善となるケースもあります。しかし一方で、本来は残せた可能性があった歯が、十分に検討されないまま抜歯に至っているケースがあるのも事実です。 当院では「何が何でも歯を残す」ことを目的にはしていません。けれど、抜歯という選択に進む前に、本当に他の可能性が残されていないのかを、丁寧に確認することを大切にしています。 なぜ「抜歯しかない」と言われることが多いのか 歯を残せるかどうかの判断は、実はとても繊細です。 歯の中の感染の広がり方、ヒビや破折の有無、根の形や長さ、過去に行われた治療の内容――これらは、肉眼や限られた視野では正確に把握することが難しいことが多くあります。 現在の保険診療は、戦後に整えられた制度を基盤としており、限られた時間の中で、多くの患者さんに均一な医療を提供することを目的として発展してきました。そのため、診断や治療に十分な時間や視野を確保することが難しく、結果として「見えない部分は安全側に判断する」という流れが生まれやすい構造になっています。 その延長線上で、抜歯 → ブリッジ → 義歯という治療の流れが、選択されやすくなることも少なくありません。 これは決して、保険治療や担当医の判断が間違っているということではありません。制度上、やむを得ない判断であることも多いのが現実です。 ただ、問題となるのは、「本当に歯を残す選択肢がなかったのか」を、十分に“見た上で”検討できていない可能性があるという点です。 当院では、顕微鏡やCTを用いて視野を確保し、時間をかけて状態を確認したうえで、抜歯以外の選択肢が残されていないかを慎重に検討します。 歯を残す方法を考える 当院の診療の中心にあるのは、顕微鏡(マイクロスコープ)による精密な診断と治療です。 すべての治療を顕微鏡下で行う CTと併用し、歯の内部・根の状態を立体的に把握する 感覚や経験だけに頼らず、「確認できた事実」をもとに判断する これにより、「抜歯以外の選択肢が本当に残されていないのか」を、可能な限り客観的に検討します。 また、治療内容は動画を用いて説明しています。実際に見ていただくことで、「何が問題で、何ができて、何が難しいのか」を共有するためです。 歯を抜かないためにできる治療(精密根管治療・外科的歯内療法) 精密根管治療 歯の内部の感染を徹底的に除去し、再発を防ぐ治療です。顕微鏡を用いることで、従来では見逃されやすかった感染源まで確認できます。👉 [精密根管治療について] 外科的歯内療法 通常の方法では改善が難しい場合に、歯の根の先端から直接原因を取り除く治療です。「抜歯しかない」と言われた歯でも、選択肢となることがあります。👉 [外科的歯内療法について] ※ もちろん、すべての歯が残せるわけではありません。保存が難しい場合には、その理由も含めて正直にお伝えします。 抜歯を迷ったときのセカンドオピニオン 抜歯やインプラントを勧められ、「本当にそれしか方法はないのだろうか」「できれば歯を残せる可能性を確認したい」そう悩まれている方は、決して少なくありません。 当院には、「抜歯と言われた」「インプラントしかないと言われた」という説明を受けたあと、迷いや不安を抱えて来院される患者さんが多くいらっしゃいます。 そうした声にお応えするため、当院では通常の診療とは別に、セカンドオピニオン外来を設立しました。 当院のセカンドオピニオン外来は、「前医の治療を否定する場」ではありません。 本当に抜歯しか選択肢がないのか 他の方法を選んだ場合のメリット・デメリット 歯を残した場合に起こりうるリスク これらを整理し、納得して選択していただくための場です。 迷うことは、決して悪いことではありません。👉 [セカンドオピニオンについて] 時間を取ったカウンセリングを行う理由 当院では、1日の患者数を制限し、時間を取ったカウンセリングを行っています。 歯の治療は「何をするか」以上に「なぜそれを選ぶのか」が重要だからです。 どこまで治療を望むのか どのような将来を考えているのか 不安に感じていることは何か これらを共有せずに、良い判断はできないと考えています。 大牟田で歯を残す治療を行う歯科医院として 歯を抜くか、残すか。その判断は、患者さんの人生にとって決して小さなものではありません。 当院は「歯を抜かない歯医者」を名乗るために、歯を残しているわけではありません。 抜歯という選択をする前に、本当にそれしかないのかを、責任をもって考える歯科医院でありたい。 そう考えています。 もし今、抜歯と言われて迷っているのであれば、一度立ち止まり、別の視点から確認してみるという選択肢があることを、知っていただければ幸いです。 当院では、すべての患者さんに対して、十分な治療時間と、納得いただくための説明の時間を確保することを大切にしています。 そのため、治療の質を守る目的から、1日に拝見できる患者さんの数をあえて制限しています。 結果として、当院は完全予約制となっており、初めて受診される方には、ご予約までお時間をいただく場合があります。 これは「多くの患者さんを診るため」ではなく、一人ひとりに責任を持った診療を行うための選択です。 お待たせしてしまうこともありますが、その分、落ち着いた環境で、時間に追われることのない診療を心がけています。 抜歯やインプラントと言われ、判断に迷っている方は、まずはセカンドオピニオンとしてご相談ください。👉 [セカンドオピニオンはこちら] すでに当院での治療を希望されている方は、下記よりご予約をお願いいたします。👉 [治療希望のご予約はこちら]
2026.01.22 歯を残すための考え方
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